尿ウロビリノゲンと尿ビリルビンは、
肝機能障害のスクリーニングを尿で簡易に調べることができる検査です。
☆尿中排泄のしくみ
肝臓から胆汁中へ排泄された抱合型ビリルビンが
腸内細菌による脱抱合と還元を受けてウロビリノゲンが生成される。
ウロビリノゲンは80%は便中へ排泄され、20%は吸収され門脈から肝臓へ戻り、再び胆汁中へ排泄される(腸肝循環)。
一部は大循環へ入り尿中へ排泄される。
一方、老廃赤血球由来のヘモグロビンや細胞内ヘム蛋白の分解過程で、非抱合型ビリルビン(脂溶性)が生じ、肝へ運ばれグルクロン酸抱合を受け抱合型ビリルビン(水溶性)となる。
抱合型ビリルビンは胆汁中へ排泄されるが、血中に抱合型ビリルビンが増加する肝胆道系の病気では一部が尿中へ排泄される。
非抱合型ビリルビンは血中アルブミンと結合し腎糸球体を通過しない。
すなわち尿中に姿をあらわさない。
★尿中ウロビリノゲンが増加するのは、
1.肝からウロビリノゲンの胆汁排泄が障害され、
大循環に入るウロビリノゲンが増加する時
(急性肝炎、肝硬変、うっ血肝など)。
2.腸管内容の停滞のためウロビリノゲンの腸からの吸収が増加する時
(便秘、腸閉塞)。
3.ビリルビン産生の増加する場合
(溶血性貧血、体内での出血など)
4.尿中ビリルビンの排泄が増えるのは、
肝障害で抱合型ビリルビンが増加する病態
(急性肝炎、劇症肝炎、肝硬変、肝内胆汁うっ滞、
Dubin-Johnson症候群)
尿ウロビリノゲンと尿ビリルビンを組み合わせることにより、
黄疸の鑑別をする。
・尿中ウロビリノゲン (2+以上)尿ビリルビン(+)
肝細胞障害、抱合型ビリルビンの排泄障害(肝炎、肝硬変、
Dubin-Johnson症候群など)。
・尿中ウロビリノゲン(-) 尿ビリルビン(+)
胆汁通過障害(閉塞性黄疸など)。
・尿ウロビリノゲン(2+以上) 尿ビリルビン(-)
非抱合型ビリルビン産生亢進(溶血性貧血)。
・尿ウロビリノゲン(-) 尿ビリルビン(-)
非抱合型ビリルビンの血中増加(Gilbert症候群、
Grigler-Najjar症候群)、
δ-ビリルビン(抱合型ビリルビンとアルブミンの結合)の血中増加
(急性肝炎の黄疸回復期)など。
ただし、これはあくまでもスクリーニング検査です。
異常が認められる場合は、医師の指示に従うことが大切です。