骨髄移植とは?
骨髄移植は健康な方の骨髄液を点滴静注して、造血機能を回復させる治療法です。
白血病については、現在いろいろな治療法が行われており、骨髄移植の研究も進んでいます。
一人でも多くの患者さんを救うために、骨髄移植と骨髄バンク事業についてご理解ください。
まだまだ誤解のある骨髄移植
骨髄移植を本当に知らない人は、
骨髄移植は骨を削って骨自体を提供することだと思っている。
骨髄は死んでから提供するものと思っている。
骨髄とは脊椎(背骨)のことと思っている。
骨髄バンクを宗教団体だと思っている。
あなたは、このような誤解をしていませんか?
しかし、これらは間違った認識です。
骨髄移植とは?
白血病や再生不良性貧血などの病気によって、正常な造血が行われなくなってしまった患者さんの骨髄を投薬や放射線照射で、壊した後、健康な方の骨髄液を点滴静注して、造血機能を回復させる治療法です。
人の骨髄液には、健康な血液の元になる造血幹細胞がたくさんあります。
この細胞を移植することにより、患者さんは健康な血液を作ることができるようになるのです。
骨髄移植が成功すれば、約3ヶ月で退院でき、その後は普通の生活に戻ることができます。
骨髄移植を待っている患者さんはどのくらいいるの?
白血病などの病気は,毎年 6,000人ぐらい発病し,そのうち約 2,000人が骨髄移植を望んでいます。
この中で骨髄バンクを通じて移植を待っている人は、年間で 1,000人〜1,500人程度と予想されています。
しかし、骨髄移植を成功させるためには、患者さんと骨髄を提供して下さる方(ドナー)の白血球の型(HLA型)を一致させる必要があります。
この一致する確率は兄弟姉妹で4人に1人、それ以外では数百人から数万人に一人とまれです!!
ですから、骨髄移植を受けられない患者さんが少なくありません。
そのため、広く一般の方々に善意の骨髄提供を呼びかける『骨髄バンク事業』が
1992年より開始され、すでに多くの患者さんを救う実績をあげています。
しかし、ドナー登録数はまだまだ不足しています。
一人でも多くの患者さんを救うために、一人でも多くのご協力が必要です。
ドナー(骨髄提供者)の条件
ドナー登録できる方
・ 骨髄提供の内容を十分に理解している方
・ 年齢が18歳以上、54歳以下で健康な方
・ 体重が男性45kg以上/女性40kg以上の方
実際に、 骨髄を提供できる年齢は20歳以上、55歳以下です。
●骨髄提供の実際
いよいよ骨髄を採取して、患者さんに移植することが決定しました。
どのようになるのでしょうか…
1.骨髄採取の前日に入院して、最終的な検査を受けます。入院は3〜5日ほどです。
2.当日の骨髄採取は、麻酔下で行われます。通常、麻酔は安全性の点から全身麻酔です。
3.手術室で、提供者の腰から注射器で骨髄液を吸引します。
4.採取された骨髄液は、直ちに患者さんの待つ病院に運ばれ、移植されます。
ドナーと患者さんのプライバシーの保護と、骨髄バンク事業の公平さを保つため、
お互いに相手の住所や名前などは知らされません。
ただし、最終同意後に患者さんが大人か子供か、男性か女性かはドナーに教えてくれます。
骨髄移植と骨髄バンク事業についてご理解いただき、
ドナー登録について考えていただければ幸いです。
臍帯血移植とは?
骨髄移植は患者さんへの肉体的負担が大きいために、
最近では、より副作用の少ない治療法が開発されました。
それは、赤ちゃんのへその緒や胎盤に含まれる約80mlの血液を利用する
「臍帯血移植」です。
赤ちゃんはこの血液を通して、母親から栄養や酸素を取り入れるために、
造血幹細胞が豊富に含まれています。
白血球のHLA型が適合したら、冷凍保存しておいた臍帯血を、
普通の輸血のように患者さんの腕の静脈から注入します。
1999年8月。「日本さい帯血バンクネットワーク」が設立されました。
全国の各ネットワーク共同で5年間に2万個のさい帯血を保存することを目標としています。
歌手の本田美奈子さんもこの臍帯血移植の治療を受けましたが、
残念ながら、うまくいかなかったようです。
いつ!だれが、骨髄移植が必要な病気になるかもしれません!
骨髄移植についての正しい知識が普及され、
骨髄バンクや臍帯血バンクについての理解が深まりますように願っています。
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