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2006年02月 アーカイブ

2006年02月22日

なぜ?血液は固まるの?

小さい頃、ころんだり、すりむいたりしてよく血が出ませんでしたか?


これは血液が全身にくまなく循環している証拠なのですが、


よほどの大けがでもない限り、しばらくすると流れ出た血液は
柔らかいゼリー状に固まり、カサブタになって止まってしまいます。


これはどうしてなのでしょう?


★血液が固まるわけ


血管が切れたために血液が身体の外に漏れ出す現象を出血といいますが、
血液はいつまでも漏れ続けることは普通ありません。


酸素や栄養分を体の隅々まで運んでくれる大事な血液を、
なるべく失わないようにする仕組みが私たちの体に備わっているからです。


この血液を固めるしくみを「止血機構」といいます。


血液は本来、液状でなければなりません。


でないと、直径数ミクロンの毛細血管内をスムーズに流れなくなり、
身体中の組織に酸素や養分を送れません。


もし、血管の中で血液が固まったら、たちまち血行が停止し、
組織は死んでしまいます。


つまり血液は血管の中を流れる間は液状を保つのに、
出血したら止血のために短時間で固まる、という複雑な性質を持っています。


★血液の固まるしくみ(止血機構)


止血機構には三段階あります。


●一次止血

傷ついた血管壁に 血小板が粘着・凝集し、傷口を塞ぎます
(血小板血栓―白色血栓形成)。


●二次止血

血漿中の凝固因子の活性化が起こり、血小板血栓を繊維素で結び、
強固な血栓を形成します(赤色血栓)。


これで出血に対しての対策は完了しますが、


●修復作用

血管内に形成された血栓の除去と血管壁の修復作用を行います(繊維素溶解現象)


この過程を通して、血管内に形成された血栓が取り除かれ、
血液の流れが元通りのスムーズなものにもどり、ようやく止血機構が完結です。


shiketsu1.jpg



ここで、まず、大きな役割を果たしているのが、血小板です!!

血小板とはいったいどんなものなのでしょう?

明日、お話ししますね!!

2006年02月23日

血小板とは?

出血を止める(止血機構)で、いち早く活躍するのが血小板です。


では、血小板とはどんなものなのでしょうか?


★血小板(けっしょうばん , platelet )とは?


血小板をガラス板の上に薄く伸ばして塗り、細胞を染めて顕微鏡で観察すると、
多数の赤血球と白血球が目にはいります。


ほかに、小さな粒子状のものが散在したり、塊を作っているのが見られます。
この小さな粒子状のものが血小板なのです。


pt2.jpg



これは、骨髄中の巨核球(巨大核細胞)という細胞の細胞質 がちぎれたもので、
細胞質のみから構成されており、核 を持っていません。


また形も不定形で、血小板1つ1つの大きさも1〜4 μm で、
赤血球(8 μm)よりもずっと小さいです。


寿命は10日前後で、寿命が尽きると脾臓 で破壊されます。

血小板(電子顕微鏡写真)


★血小板の数


血小板数の基準値は 13〜40万/µl です。


十分な量の血小板がないと、止血作用が弱く、
皮膚に出血斑が出現したり、歯肉から出血するなどの出血症状が出ます。


また、血小板が正常より多く存在すると、血栓が起きやすくなり
心筋梗塞、脳梗塞などの疾患の原因となります。


そこで、一般検査として血小板数を測定することが必要なのです。


血液検査表の項目(例)
pt1.gif



あなたの血小板数は基準値内にありますか?


多くても少なくても、身体に大きな影響があります。

2006年02月24日

血小板数が減少?

血小板

血液検査での血小板数の基準値は 13〜40万/μl されています。


血小板数が10万以下になったものを血小板減少症として扱います。


4万以下になると出血傾向が出現し、2万以下になると血小板輸血が適応となり
1万以下になると脳内出血や臓器出血を起こすので、
すぐに血小板を輸注する必要があります。


血小板数の算定


血小板数は小さいものですから、算定するときに変動しやすく、
数万くらいは算定方法によって誤差があります。


また、日によって2、3万くらいの差異が何も疾患がなくても見られます。


基準値内であれば、多少の増減は心配いらないでしょう!


また、採血するときに時間がかかったり、すぐに抗凝固剤入りの採血ビンに
入れなかったりすると、凝血(血が固まる)して、血小板どおしで固まりあうため、
みかけ上の血小板数が少なくなることもよくあります。


血液検査で血小板数の減少が見られたら、本当に減少しているのかを
再検査をして、本当に少ないのかを確かめる必要があります。


血小板数減少の原因


血小板の減少は、血管内で血小板が破壊されたり、使われたりすることや、
また骨髄における産生低下により起きます。


血小板破壊による血小板減少の中では、
免疫学的機序により起きる特発性血小板減少性紫斑病が最も頻度が高いです。


ウィルス感染症の後に起きるものもありますが、ほとんどは原因不明です。
インフルエンザにかかった後なども血小板は減少します。


薬剤の服用でも、血小板の減少が見られることがあります。


感染症、悪性疾患等が原因となり、体内での血液凝固現象が進み、
血小板の活性化、消費が起き血小板数が低下するもの。


白血病、癌など悪性細胞による骨髄への転移。また放射線、薬剤などにより
骨髄機能が低下した場合、血小板が作られなくなる場合と様々!!


意外にも肝炎などにより、肝臓障害を起こしている場合にも
血小板の減少が見られることが多々あります。


ですから、血小板が減少している場合は、その原因が何?どこにあるのかを
調べてからでないと、治療ができないのです。


血小板減少の初期症状


では、血小板が減少したら、どんな症状が表れてくるのでしょうか?


皮膚の内出血がおこりやすくなります。


赤く小さな点が膝(ひざ)から下に多数現れ、ぶつけたことも記憶にないくらい
軽くぶつけた程度のけがでも小さな青あざが一面にできます。


歯ぐきからすぐに出血したり、鼻血がでやすくなります。


出血が止まりにくくなります。


便や尿に血液が混じります。


月経の出血が多量になることもあります。


ですから、耳鼻科や歯科で血小板減少症が見つかることもおおいのです。


また、症状が徐々に進行するため、はっきりした自覚症状がなく、
健康診断で見つかる場合もあります。


でも、たとえ、上記のような症状があるからといって、
必ずしも血小板減少によるものでない場合もありますので、


あなたが気になる症状がでてきたと思われるなら、
一度血液検査をうけて確かめているといいでしょう!


★★★★★

2006年02月25日

血小板数が増加?

血小板数の基準値は 13〜40万/μlです。


昨日は血小板が減少した場合におこる症状についてお話ししましたが、


逆に、血小板が増加した場合についてお話ししましょう!


血小板が増えることはあまり多くないので、一般には注目されていませんが、
血小板数は多すぎてもよくないのです。


★血小板増加症とは?


血小板数が40万/μl 以上ある場合を血小板増加症と呼びます。


血小板増加症という言葉は、病名ではなくからだの状態を表現する言葉です。


すなわち、血小板増加症の原因となる身体異常、いいかえれば基礎疾患が、
必ずその裏に隠れていることになります。

血小板が増加する仕組みは骨髄での産出量が増えているか、
脾臓から蓄積された血小板が過剰に流出しているかによります。


多くの場合は骨髄での過剰に血小板が産生されることです。

血小板数が、60万〜70万くらいの増加では無症状のことが多いので
気がつかないことが多いのですが、


さすがに、100万を超えるようになると血液が凝固しやすくなり、
小さな血管が詰まる血栓ができたり、かえって出血しやすくなったりします。


★血小板増加症の原因となる病気


一次性のものとして骨髄における巨核球が腫瘍性に増殖するもの


二次性のものとしては、悪性腫瘍(特に肺癌、胃癌等)、リウマチ等の慢性炎症、
鉄欠乏性貧血等の各種疾患が原因とされています。


血小板が増加しても一般的には50〜60万/μlまでは治療の必要はありません。


これ以上血小板が増加する場合は、抗血小板の投与が行われます

もっと詳しくは、血小板血症について

出血しやすくなる病気には、血小板の異常によるもの以外にもあります。


その話は、明日!!

2006年02月26日

手術の前に受ける検査とは?!

手術!!といったら、身体のどこかを切るわけですから、当然、血が出ます。


ですから、手術の前には、出血しても血液がきちんと固まるかどうかを調べるための
検査を受けなければなりません。


血液が固まるためには、血小板、凝固因子、その他の関連物質が密接に
関わりあっていますので、血小板数が正常だからといって、必ずしも、
一定時間で血が止まるとは限らないからです。


★出血時間 (血小板機能の診断に有用)


出血時間は耳たぶに傷をつけ、何分で血が止まるかを調べる検査です。


出血時間の検査


30秒ごとに耳たぶに、ろ紙をあてて調べます。

出血した血液が自然に固まって止まるまでの時間を測定します。


1〜3分が正常、


5分以上延長する場合は血小板の減少や機能低下、
毛細血管の機能低下などが考えられます。


★凝固時間  (凝固因子の因子のスクリーニング検査に有用)


採血した血液を37度に保った水槽の中にある2本の試験管に入れて、
傾けていき、どのくらいの時間で固まるかを調べます。


通常は5〜15分で固まります。


血液はザラザラした面にふれると固まる性質がありますので、
ガラスの試験管の中で血液が固まったのです。


血管の内面は滑らかなため、血液は体内をサラサラと循環しています。


しかし、動脈硬化になり血管の内面がデコボコになったり、荒れてくると、
血管の中でも、血液は固まりやすくなるのです。


このため、動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞の引き金になりやすいというわけです。

凝固時間が延長している場合には、血液凝固因子についての詳しい検査を行います。


続きを読む "手術の前に受ける検査とは?!" »

2006年02月27日

血友病は遺伝病?!

「血友病」と言う言葉を聞いたことがあると思います。


理科の時間に、メンデルの法則の「伴性劣性遺伝」で学んだですよね!


1800年代から1900年代にかけて、イギリス、スペイン、ロシアのロイヤル・ファミリーが
血友病だったことは有名です。


イギリスのビクトリア女王が血友病の遺伝子を持っていたため、
産まれてくる男の子に病気が表れたのです。


また、最近では、薬害エイズ事件でも非加熱性血しょう製剤により
血友病患者に被害者がでていました。


多くの人には、怖いとか遺伝病だとか、特別の病気のように思われていますが、
これは、あなたの身近にでも起こりうる病気なのです。


血液凝固因子異常症全国調査2002年度の報告によると、


日本では血友病Aが3841人(男性3821人、女性20人)、
血友病Bが842人(男性838人、女性4人)が確認されています。


血友病を含む先天性凝固異常は、確かに遺伝病ですが、
その3〜4割程度は親に発現因子のない、
突然変異によるものだとされています。


つまり遺伝でない発現が3〜4割あるということです。


遺伝でない発現がそれだけある病気に対し、
遺伝病としてしまうのも問題がありますね。


遺伝するということで、患者さんやそのご家族たちが差別や偏見に
会われる例が多々あるからです。

★血友病 (けつゆうびょう Hemophilia) とは?


これは血液凝固因子が不足しているために出血が止まりにくい病気です。


血友病には2種類あります。


血友病A ・・・第VIII因子の欠損あるいは活性低下

血友病B ・・・第IX因子の欠損あるいは活性低下


母方の]染色体の第VIII因子または第IX因子の遺伝子部位に異常があった場合、
それが]染色体を1本しかもっていない男性に受け継がれ、血友病を発症します。


【症状】

A型もB型も症状は同じでこの病気の大きな特徴の一つは、
外傷がなくとも深部出血することです。


例えば、関節に出血すると腫れてとても痛み、繰り返すと、
その関節が破壊されていくことがあります。


その他に、筋肉内出血や、血尿なども問題です。


また、一度止血しても、翌日〜一週間後に再出血を起こすことがあります。


血友病は幼児期までに大部分が発症するのですが、
軽症の場合は非血友病の人と変わらない生活を過ごしていて、
抜歯などにより初めて判明することもあるそうです。


男性の発症が多く、女性の発症は胎児のうちに死亡するため極めて稀で、
現実に全血友病患者の1%以下です。

詳しくは

血友病について


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2006年02月28日

鼻血の正しい止血法?!

鼻血

出血と言えば、「鼻血」

今まで、経験したことがない人はいないでしょう!

思い出しただけでも・・・あのいやな感触がよみがえりますよね。


子どもは特によく鼻血を出すので、あわててしまって
耳鼻科や小児科に駆け込むお母さんが多いのです。


たいていの場合、子供の鼻血や傷、打撲による鼻血はすぐに止血できます。


でも、中には、持病が持病が原因で起こる場合や
出血部位によっては止血が困難で大量出血を起こすこともあります。


正しい鼻血の止血法を覚えて、対応できるようにしましょう!!


間違った鼻血の止血法


あなたはこんなことやっていませんか?

●首筋をとんとんとたたく

これは、鼻血の止血とは全く関係がありません。


●鼻の上部の骨の硬いところを圧迫する

ここを強く押さえても、鼻血はとまりません。


●ティッシュペーパーを詰め込み、何度も取り替える

ティッシュペーパー抜くときにまた傷をつけてしまうため、出血しやすくなり、逆効果です。

  
●仰向けに寝る

顔を上に向かせると鼻血が喉をつたって食道に流れてしまいます。

血液を飲み込むと、胸やけし、吐き気が起こります。
絶対、上を向かせてはいけません。


病院に行く必要の無い鼻血


鼻血の大部分は、鼻中隔の前方にあるキーゼルバッハ部位からの出血です。

この部位は、鼻の入り口から1〜1.5cmくらいのところで、
血管の表面がほとんど保護されておらず、わずかな傷で簡単に出血します。


shiketsu2.jpg

指が簡単に届く場所なので、ついひっかいてしまいますよね。


同じ場所で鼻血を繰り返すと、新生した血管が密集するので
何度も鼻血を出してしまうようになるのです。


正しい鼻血の止血法


キーゼルバッハ部位からの出血は、圧迫止血法により比較的簡単に止血できます。


1.椅子に腰掛けさせ、自分の足のつま先30cmのところを見るような姿勢をとる。

  椅子がない場合は、頭を高くしてなにかに寄りかかるようにして、顔をやや下に向かせる

2.衣服をゆるめ楽な呼吸をさせる。

3.本人の気持ちを落ち着かせる。

  大量に出血を起こすと血圧がストンと下がり、ショックを起こしますが、
  鼻出血で死に至ることは殆ど無いので焦らずに!興奮させないようにする。  

  濡れタオルを前頭部だけでなく、うなじや心臓部にあてるなどしてもいい。


4.付着した血液を、ぬるま湯に浸したガーゼでふき取る。

  口の中の血液は、吐き出させてぬぐいとる。飲み込ませない。


5.小鼻の柔らかい部分(キーゼルバッハ部位)めがけて)5〜10分ほど、指で強く圧迫する。

  鼻の付近の動脈は鼻の付け根の部分を通っているので、
  目頭のあいだの鼻の骨の部分を親指と人差し指で両側から圧迫することもいい。

  
6.脱脂綿または清潔なガーゼを鼻穴の大きさに丸めて鼻孔に押し入れ栓をする。


7.綿栓を詰めた場合は、止血したと判断しても、20〜30分間は栓を抜かないこと。

  鼻の中にある血の固まり(ゼラチン状になったもの)を無理に取らないこと。

  鼻を強くかんだりしない、また鼻をいじるなどして粘膜を刺激しないこと。


この方法で、ほとんどの鼻血はとまるはずです。


病院に行く必要のある鼻血


正しい止血法でも長時間とまらない場合

高血圧で薬を内服している場合や血液疾患のある場合

チョロチョロと出血が長時間続いて止まらない場合

洗面器一杯くらい出血したが、止まる気配がない場合


このような場合には、病院に行きましょう!

その時には、

●鼻血が始まった時間、
●出血している時間の長さ、
●おおまかな出血量(洗面器一杯くらい、等)、
●出血の状況(時々、ずっと出ている、等)、

を記録しておきましょう。

また、血圧や病歴、や服用中の薬なども、医師に伝えられるようにしましょう。


緊急の場合は救急車を呼びますが、同様に、状態を電話で説明できるようにすると、
病院での対処が早いです。


救急法・応急手当


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