糖尿病で動脈硬化に拍車?!
糖尿病の細小血管の三大合併症は神経障害、網膜症、腎症ですが、虚血性心疾患や脳梗塞、太い脳の血管を含む大血管の動脈硬化の大血管症が糖尿病の予備軍からすでに始まっています。糖尿病の細小血管の三大合併症は、
糖尿病になってから5−6年で神経障害が、7−10年で網膜症が、
15年程度で腎症が出現すると言われています。
でも、糖尿病の合併症は、これだけではないのです。
糖尿病だけに特有な合併症ではありませんが、
冠動脈や太い脳の血管を含む大血管の動脈硬化すなわち大血管症が
糖尿病の予備軍である境界型の時期からすでに始まっているとされています。
糖尿病の大血管合併症
下記の三つの合併症は「大血管合併症」といわれています。
●虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
糖尿病の合併症として起こる心筋梗塞は、その約2/3に痛みがありません。
そのため、心筋梗塞が起きていても、本人が気づかないこともあります。
また、複数の冠動脈に、広範囲にわたって、狭窄(血管の内腔が狭くなる)
があるため、再発しやすく、心不全になったり、命にかかわることもあります。
●脳梗塞
糖尿病の合併症として起こる脳梗塞は、多くが脳の中・小血管(大血管の一部)で
起こります。そのため、障害を受ける範囲が狭く、はっきりした自覚症状のない場合
がほとんどです。
ところが、この状態を放置すると、小さな脳梗塞が多発し、次第に動作が緩慢になったり、
痴呆などの症状が現れたりします。
●閉塞性動脈硬化症
動脈硬化が進行すると、特に足では、動脈の閉塞により足の動脈が狭くなったり、
ふさがったり(閉塞)して、足がいつも冷たかったり、しびれたり、間歇跛行といって
歩くとふくらはぎの筋肉が痛くなるなどの症状がでてきます。
この様な病気を閉塞性動脈硬化症と呼んでいます。
閉塞性動脈硬化症は、全身に進行した動脈硬化のひとつであり、
他の血管でも動脈硬化が進行している疑いがあります。
動脈硬化症は、加齢、高血圧、高脂血症、肥満、運動不足など、
種々の原因が重なり合って起こりますが、
糖尿病が加わると、その進行にさらに拍車がかかります。
そのため、糖尿病の人では、脳梗塞や心筋梗塞が発症する頻度は、
糖尿病にかかっていない人に比べて、2〜3倍も高いのです。
しかも、糖尿病がある場合、通常よりも重症で治療が効きづらいことが
わかっています。
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私の父の場合、40歳代から、糖尿病だけでなく、不整脈、左室肥大、
狭心症や心不全の傾向がありました。
でも、仕事が過密で忙しかったこともあり、特別な治療は行いませんでした。
61歳の正月明けの寒い夜に、突然の心房細動の発作を起こし、
救急車で救急病院に搬送されました。心不全でした。
幸い、当直医が循環器専門の医師だったので、処置が早く
一命は取り留めました。
約2ヶ月の入院期間中に治療を受け、体重も80kgから70kgへと減り、
体調もよくなり、見違えるほど、スリムになって退院しました。
それから、8年間は、定期的に通院し、血圧や血糖コントロールを
まじめに行っていました。
毎週末はゴルフ場に、社交ダンス、習字、俳句、囲碁、料理教室。
また、庭木や草花の手入れをしている姿は元気そのもののように見えました。
それが、父を過信させたようで、
「自分は元気だ。治ったんだから病院には行かない!!」と言いだしました。
そして・・・説得にもかかわらず、治療をやめてしまったのです。
2年後。71歳になって体調が悪くなり始めた時に、また病院に行きましたが、
もう、合併症が全身に及んでいて、治療としては、手遅れの状態。
かかりつけの医師は、「あのまま、治療を続けていたら、
今も元気で、ゴルフに行けていたのに、残念です。」と・・・・
私たち家族も、「もっと強く治療をするようにさせればよかった」と
悔やみましたが、仕方ありませんでした。
それからというもの、薬は飲み続けていましたが、
父の身体の機能が順番に奪われて行き始めました。
そして、77歳の時に脳梗塞で倒れ、左半身不随となってしまったのです。
約、2年8ヶ月の闘病生活の後。父は寝たきりのまま亡くなりました。
糖尿病は治療せずに放置すると合併症を引き起こす大変恐ろしい病気です。
でも、しっかり治療し糖尿病状態を良好にコントロールすれば、
合併症を起こすことなく、糖尿病でない人と同じ健康な生活がおくれます。
そして、普段からの生活習慣や食生活を改善することで、
生活習慣病としての、糖尿病は防ぐことが出来るのです。
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